銀行と相対するときの服装に悩んでいませんか?スーツにネクタイは必須?僕の考えは「NO」です。服装の形式よりも重視すべき「清潔感」と「礼儀正しさ」の重要性を、銀行側のトレンドもふまえ解説します。
【問題提起】スーツ神話のワナと、僕の考え
銀行融資の相談に行くときはスーツにネクタイのほうがいいのか?と、社長や士業の方々から聞かれることがあります。
僕の考えは「必ずしもその必要はなく、服自体よりも『清潔さ』と『礼儀正しさ』を大事にしましょう」というものです。
たしかに、銀行に対して誠意を示すという意味でスーツは定番です。しかし、その「スーツ神話」にはワナがあります。スーツにネクタイでも、ヨレヨレだったり、靴が汚れているようでは台無しです。形式にこだわることで、かえって自己管理ができていないというマイナス評価につながりかねません。
僕自身、銀行面談時にスーツにネクタイではなく、だからといって不利益を被ったことはけしてありません。服装の形式よりも、本質的な部分に目を向けるべきです。
【調査】「銀行員の服装」から見る時代の変化
銀行員がTシャツやポロシャツを着用していたりもするわけで、近年、金融界全体のドレスコードは変化してきています。
これは、単なる「働き方改革」や「親しみやすさ」をアピールするだけでなく、金融検査マニュアル廃止以降の銀行が重視する「事業性評価」のトレンドとも関連しています。銀行は形式ではなく、融資先の「事業そのもの」や「社長の本質」を評価しようとしているのです。
つまり、銀行が融資先を見るポイントは、服装の「価格」や「形式」ではなく、「社長の誠実さ」や「経営への真剣さ」といった、数字では測れない「定性評価」に移行しつつあるといえます。
【戦略】「清潔感」という名の最強の定性評価
銀行融資の面談時、社長が本当に重視すべきは、定性評価を高めるための「清潔感」という名の戦略です。
清潔感は最高の非言語メッセージ
銀行融資は決算書(定量評価)だけでは決まらず、社長の資質や習慣(定性評価)が極めて重要です。服装は、この定性評価を高めるための「入り口」に過ぎません。
シワのないシャツ、磨かれた靴、手入れされた髪型などは、社長の「自己管理能力」の高さを示します。自己管理ができる社長は、会社の管理や資金繰りもきちんと行うだろうという、銀行からの信頼に繋がるのです。
「身の丈」と「公私混同」の境界線
服装の形式が自由であるいっぽうで、会社の業績や規模に見合わない高級すぎる服装は、銀行に公私混同や浪費グセを疑われる可能性があります。銀行は融資したおカネが事業目的以外に使われることを嫌います。服装においても、「身の丈に合っているか」という視点は欠かせません。公私混同が疑われると、経営者保証の解除など融資条件の改善を妨げる要因にもなりかねません。
服装以外の「礼儀正しさ」
服装とセットで重要なのが「振る舞い」です。時間や約束を守ることはもちろん、銀行員に対して敬意を持った誠実な態度で接することが基本です。謙虚に耳を傾け、タイムリーな資料を提出し、報連相を徹底する姿勢こそが、融資の可否を最終的に左右する信頼関係の礎(いしずえ)となります。
服装の選び方(TPOとTPLの考慮)
TPO(時と場所と場合)を考慮するのは当然ですが、それに加えてTPL(Time, Place, Level)も意識しましょう。
- 服装の予算感
服装の「価格」や「ブランド」ではなく、清潔感に「手間」と「意識」をかけているかが重要だと考えます。 - TPOとTPLの考慮
訪問先の銀行や、面談相手の役職(支店長や本部)によっては、ジャケットを羽織るなど、TPOを意識した服装が望ましいものと考えます。 - スーツ派へのアドバイス
スーツを着用する場合は、ヨレや汚れがないか、ネクタイが緩んでいないかなど、むしろ清潔感を徹底的にチェックすべきだと考えます。
まとめ
銀行融資の面談時、服装は「スーツか否か」という形式論ではなく、「清潔感」と「礼儀正しさ」が戦略であるというのが、僕の結論です。
ヨレヨレのスーツを着て形式にこだわるよりも、社長の「自己管理能力」や「誠実さ」を非言語的に伝える「清潔感」を徹底的に追求すべきです。
また、服装に悩むばかりではなく、試算表や資金繰り表の作成に使うなど、本質的な部分に集中すべきです。社長が本質的な経営に集中している姿勢こそが、銀行への最大のメッセージとなります。

