銀行借入でラクができる社長はココが違う

銀行借入でラクができる社長はココが違う

銀行借入でラクができている会社と、ラクができていない会社があります。両者の違いはどこにあるのか?銀行借入でラクができている会社の社長が押さえている、3つのポイントをお伝えします。

目次

ラクができている会社とそうでない会社と

銀行借入をしている会社は、その状況によって2つに分かれます。銀行借入でラクができている会社と、ラクができていない会社です。同じ借入をするでも、後者の場合、借入することでラクになるはずが実際にはかえって苦しくなっている…という点で問題があります。

では、銀行借入でラクができる会社と、ラクができていない会社とでは何が違うのか?そのポイントは3つあります。次のとおりです。

  • 返済スピード
  • 資金調達余力
  • 残高のシェア

銀行借入でラクができている社長は、これら3つのポイントを押さえています。これら3つのポイントが、銀行借入でラクができる会社とラクができない会社との境目になるということです。このあと、各ポイントについて詳しくお伝えしていきます。

銀行借入でラクができる社長はココが違う

銀行借入でラクができている会社の社長が押さえているポイントが3つあります。ただただ借入をしているだけの社長は押さえられていないポイントなので、注意が必要です。自社の借入状況と照らし合わせながら確認してみましょう。

返済スピード

銀行借入でラクができている会社の社長が押さえている、1つめのポイントは「返済スピード」です。ここでいう返済スピードとは、「借入金残高÷毎月の返済額」を指します。これが速すぎると、資金繰りが厳しくなるので気をつけなければいけません。

たとえば借入金残高が3,000万円、毎月の返済額が100万円の場合、返済スピードは「3,000万円÷100万円」で2.5年となります。ところが、借入金を1口ずつ見ていくと返済期間は5年ていどだとしたらどうでしょう?

社長は返済期間5年で借りているつもりが、実際には2.5年で返済をしているのですから「(おもっているより)資金繰りが厳しいぞ」となってしまいます。ではなぜ、そんなことが起きるのか?あらたに借入をするときに、口数を増やしてばかりいるからです。

同じ借入金残高3,000万円、同じ返済期間5年であっても、口数が増えると毎月の返済額が増えることがあります。

たとえば借入金残高が1,500万円、毎月の返済額が50万円の場合、いちど1,500万円を完済してから、あらたに3,000万円を返済期間5年で借入すれば、毎月の返済額は50万円で変わりません。ところが、既存の1,500万円はそのままで、あらたに1,500万円を返済期間5年で借入すると、毎月の返済額は総額75万円に増えてしまいます。

したがって、借入金1口ごとの返済期間を見るのではなく、全体の返済スピードを把握するようにしましょう。返済スピードが資金繰りの厳しさを左右します。

資金調達余力

銀行借入でラクができている会社の社長が押さえている、2つめのポイントは「資金調達余力」です。ここでいう資金調達余力とは、信用保証協会の保証の空き枠や、当座貸越の空き枠を指します。それらの空きが少ないと、借入の難易度が上がるので注意が必要です。

信用保証協会の保証の空き枠とは、いわゆる保証付き融資があとどれくらい受けられそうかです。一般保証であれば、無担保の場合は8,000万円が制度上の上限となります。ただし、会社の規模や状況によってはそれ以下であり、1つの目安は「年間売上高の3〜5割」です。

これを上限としたときに、いますでに借りている保証付き融資が少ないほど(つまり、空き枠があるほど)、資金調達余力が残されていることになるため、銀行から「プロパー融資(信用保証協会の保証がない融資)」を受けやすくなります。逆に、空き枠が少ないほど、プロパー融資は受けにくくなります。

当座貸越についても同様です。当座貸越の限度額(極度額)に対して、実際の当座貸越の利用額が少ないほど(つまり、空き枠があるほど)、資金調達余力が残されていることになります。当座貸越を設定している銀行以外の銀行から見て、安心を感じられる状況です。

この点、保証付き融資をいつも枠いっぱいまで借りていたり(=プロパー融資で借りることを怠っている)、当座貸越をいつも枠いっぱいまで利用していたりする社長がいます。すると、借入の難易度が上がります。自社の業績が悪化したときなどはとくにです。

したがって、資金調達余力をできるだけ大きくしましょう。具体的には、保証付き融資や当座貸越の枠に空きをつくることです。

残高のシェア

銀行借入でラクができている会社の社長が押さえている、3つめのポイントは「残高のシェア」です。ここでいう残高のシェアとは、借入金総額に占める各銀行の残高の割合を指します。これに無頓着でいると、メインバンクがない会社になるのが問題です。

たとえば、借入金総額5,000万円、うちA銀行からの借入が3,000万円の場合、A銀行の残高シェアは60%です。A銀行のほかにも取引銀行はあるわけですが、シェアがもっとも大きいA銀行はメインバンクだということになります。

いっぽうで、借入金総額は同じ5,000万円でも、5つの銀行から1,000万円ずつ借入している場合はどうでしょう?どの銀行もシェアは変わらず、メインバンクが存在しないことになります。すると、自社の業績が悪くなったときなどは、どの銀行も様子見の姿勢となるため、どの銀行からも借入できないといった事態になりがちです。

したがって、業績に問題がないうちに、残高のシェアを調整しておくことが大切になります。各銀行の残高シェアにはメリハリをつけるということです。1つの目安として、メインバンクは50%前後とするのがよいでしょう。

そのときどきで、いちばん融資条件がよい銀行から借入をしているような社長の会社は、各銀行の残高シェアが似たりよったりになったり、頻繁にメインバンクが入れ替わったりします。すると、メインバンクがない会社、メインバンクが定まらない会社になってしまうので気をつけましょう。

まとめ

銀行借入でラクができている会社と、ラクができていない会社があります。両者の違いはどこにあるのか?3つのポイントをお伝えしました。

  • 返済スピード
  • 資金調達余力
  • 残高のシェア

銀行借入でラクができている社長は、これら3つのポイントを押さえています。自社の借入状況と照らし合わせながら、各ポイントを押さえていきましょう。すると、同じ借入をするでも、よりラクができるようになるはずです。

この記事を書いた人

1975年生まれ、横浜在住。税理士、発信者、習慣家。2016年に独立以来、きょうまでブログは毎日更新中。近年は、銀行融資支援を得意な仕事にしている。借りれるうちに借りれるだけ借りよ、が口グセ
現在は1日1万歩以上、ひと月150kmほど走る。趣味は、コーヒーとサウナ、読書、散歩、アニメ。スタバでMacがマジカッコいい!と思い続けてる
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