体調不良で習慣を中断。ゼロからの再スタートに焦りを感じていませんか?完璧な継続よりも「また始める」ことにこそ価値があります。経験者が語る、喪失感の乗り越え方と、挫折しない「無理しない」の本当の意味を解説します。
1.喪失感のワナと「また始める」ことの価値
「せっかく続けてきたのに、途切れてしまった…」
「もう一度やり直すなんて、面倒で心が折れそうだ…」
いちど始めた習慣が途切れてしまったとき、僕たちは強い自己嫌悪や喪失感に襲われます。習慣は途切れてはいけない、いちど途切れたら積み上げてきたものがすべてゼロになる、という強迫観念が、再開への一歩を重くしてしまうからです。
僕自身、この春から夏にかけて体調を崩し、3か月ほど発信活動をお休みしていました。療養が明けて、習慣だったランニングを再開したとき、直面したのは厳しい現実でした。
以前は5キロを25分くらいで走れたのに、再開後はたった4キロを30分かけて走るのが限界だったのです。正直に言うと、積み上げてきたものがゼロになったように感じて、虚しくもなりました。
しかし、その経験を経て気づいたことがあります。
習慣とは、完璧に続けることよりも、途切れてしまっても、あるいはゼロに戻ってしまってもまた始める、その一歩を踏み出せること、そこにこそ本当の価値があるのではないか、ということです。
今回は、僕の実体験をもとに、「ゼロ」からの再スタートを成功させるための3つの技術についてお話しします。
2.「ゼロ」からの再スタートを成功させる3つの技術
技術1:他人軸の「自信」を捨てる
以前の僕は、健康であることは当たり前で、なんなら絶対的な自信さえありました。ですが、その自信が過信に変わったとき、僕たちはじぶんの体が出している小さな異変を見逃してしまいます。
ランニング能力が落ちたとき、僕は焦りを感じましたが、ふと思い出しました。僕は知らず知らずのうちに、「フルマラソンを走れるじぶん」とか「タイムが良いじぶん」といった、他人からの評価(他人軸の達成感)に縛られていたのかもしれない、と。
すべてを失ったように感じたいま、手元に残っていたのは、「それでもやっぱり走るのは気持ちがいいな」という、とてもシンプルなじぶんだけの感覚でした。
再開にあたって必要なのは、過去のじぶんや他人と比較する自信ではありません。
じぶんの体は繊細で、いつ調子を崩すかわからないという謙虚さを持つこと。そして、「きょうはどうなのか」と丁寧にじぶんの体に問いかけること。だとすれば、
「健康には自信がないくらいがちょうどいい」
この心持ちこそが、本当の意味での健康管理と、再開への第一歩になります。
技術2:「絶好調」を待たずに調整する
習慣を再開しようとするとき、僕たちは「完璧なコンディション(絶好調)」を待ちがちです。
でも、そんな絶好調な日なんて、1年のうちに数えるほどもありません。ここで気をつけたいのが、「無理をしない」という言葉の扱いです。
一見、じぶんを大切にしているようで、実は「絶好調じゃないからやらない」という、行動しないための便利な言い訳(=怠惰)とすり替わってしまうことがあります。
僕が学んだ「無理しない」の本当の意味は、行動をゼロにしないための調整です。
100%は無理でも、きょうのコンディションが60%なら、その60%でできる最低ラインを実行するということです。
たとえば、ランニング30分が無理なら、10分の散歩でOKとするとか。大切なのは、完璧にやることではなく、「ゼロを選ばずに完了」させることです。
そして、「きのうより100メートル長く走れた」「きのうより5秒早く走れた」といった小さな成長の実感こそが、習慣を続けるための最大の報酬になるものと感じています。
技術3:中断を「失敗」ではなく「実験」と捉え直す
習慣が途切れたことを「失敗」や「衰え」と捉えると、再開は辛くなります。でも、「人生は壮大な実験」だと捉え直してみるとどうでしょう。
僕のランニング能力が落ちたことは、失敗ではありません。「僕の新しいランニングという実験が、またレベル1から始まった」ということなんです。
いまのじぶんの100%(たとえば4キロ30分)をまずは受け入れる。そしてそこからまた、1日1%でもいいから新しい何かを積み上げていく。
そう考えると、失った悲しみよりも、「またゼロから積み上げる楽しさ」を手に入れることができます。
僕がブログ更新を毎日から3日にいちどのペースに変えたのも、怠惰ではなく、この先も長く続けていくための、僕なりの積極的な選択(無理しないための調整)です。
まとめ
習慣とは、いちども途切れさせずに続けることではありません。中断してしまっても、何度でも「再開」できる技術を持つことこそが重要です。
もしいま、あなたが習慣を中断してしまい焦りを感じているのなら、それは新しい積み上げる楽しさのスタートラインに立ったということなのかもしれません。
他人軸の自信を捨て、自分の体が出すサインと対話し、絶好調を待たずに「今日の最低ライン」を実行する。その一歩が、また新しい成長という名の報酬を僕たちにもたらしてくれるはずです。

