銀行融資の無料相談を利用するなら気をつけたいこと

銀行融資の無料相談を利用するなら気をつけたいこと

銀行融資の支援について、無料相談を受け付けている方もいます。もし、その無料相談を利用するなら気をつけたいことがあるので、本記事の内容を確認しておきましょう。

目次

無料相談自体を否定・非難する意図はない

僕の得意な仕事は、銀行融資の支援です。同じように、銀行融資の支援をしている方はたくさんいます。すると、なかには「無料相談」を受け付けている方もいるのですが(僕は受け付けていません)、その無料相談を利用するなら気をつけたいことがあります。次のとおりです。

  • 待たされるのは損
  • 安かろう悪かろう
  • クレクレ君になる

ちなみに、この話に無料相談自体を否定・非難する意図はまったくありません。言うまでもなく、無料相談を受け付けるのも、それを利用するのも各自の自由です。そのうえで、もし無料相談を利用するなら気をつけたいことがあるので、それをお伝えしたいという趣旨になります。

回りくどい前置きにはなりましたが、不要な議論・論争は避けたく、あらかじめ申し添えたしだいです。では、前述した3つの気をつけたいことについて、このあと詳しく解説していきます。ここを理解せずにいると、せっかくの無料相談がアダになるケースもあるので注意が必要です。

無料相談を利用するなら気をつけたいこと

銀行融資について無料相談を利用するなら、以下の3点に気をつけましょう。これらを理解せずにいると、せっかくの無料相談もアダになる。つまり、銀行融資がスムーズに受けられることもなく、資金繰りの改善も進まない…そんなケースも起こりえます。

待たされるのは損

無料相談を利用するなら気をつけたいこと、1つめは「待たされるのは損」です。

無料相談を受け付けているけれど、実際に相談できるのは「〇か月後」みたいなケースを見聞きします。もちろん、有料相談であっても待たされるケースはあるわけですが、無料相談のほうが待たされることが多い傾向にあるのではないでしょうか。

また、待たされたとしても「無料だからしかたないか」となりがちです。ところが、待たされることによって大きな損をしている可能性があります。

そもそも、銀行融資の支援は「早ければ早いほどよい」ものです。つまり、早く取り組むほど時間的に余裕があることから「打てる手」が増えます。選択肢が増えるということであり、結果としてスムーズに融資を受けられる可能性が高まるのです。

だとすれば、「無料」で相談できるからと、相談のタイミングを先送りしてしまうのは損だとわかります。この場合、大事なのは目先の「おカネ」よりも「時間」です。たしかに、無料は魅力的ではありますが、「時は金なり」という考え方も忘れないようにしましょう。

この点、いまは余裕がある(利益が出ている・おカネがある)から大丈夫、〇か月後でも待てるとおもわれるかもしれません。ですが、銀行融資では「余裕があるとき」こそが、スムーズに融資を受ける・よりよい融資条件を引き出すチャンスになります。

そのチャンスを逃してしまうこともまた、大きな損だというのが僕の意見です。

安かろう悪かろう

無料相談を利用するなら気をつけたいこと、2つめは「安かろう悪かろう」です。

言葉のとおりですが、「安いのだから、質が悪いのはしかたない」という考え方があります。無料相談は、無料であるがゆえに「安かろう悪かろう」になりがちであることは理解しておいたほうがよいでしょう。

もちろん、無料相談を受け付ける側に悪意などないわけですが、それでも心のどこかには「無料なのだから、これくらいでよいだろう」との慢心は生じるものとおもいます。これは別に不思議なことではありませんし、責めるべきことでもなく、人間であればしかたありません。

無料であるがゆえに、相談を受け付ける側が「責任」や「覚悟」を持ちづらい。僕はこれを理解します。僕だって無料であれば、多かれ少なかれそうなるでしょう。そこは、僕が無料相談を受け付けていない理由の1つです。

事実、無料相談を経験された方からは、「抽象的なハナシしか聞けなかった」「理想論ばかりだった」「具体的になにをすればよいかは教えてもらえなかった」といった声を聞くことがあります。

必ずしも無料相談だからということではないにせよ、有料相談に比べれば「安かろう悪かろう」の質になりやすいことは否定できないのではないでしょうか。したがって、無料相談を利用するのであれば、そこもふまえておくのが賢明です。

クレクレ君になる

無料相談を利用するなら気をつけたいこと、3つめは「クレクレ君になる」です。

ここまで、気をつけたいことを2つお話ししましたが、ややもすると一番気をつけたいのが、この3つめだといえます。なお、ここでいう「クレクレ君」とは、「何でもタダで欲しがる人」のことです。

無料に惹かれるあまり、「無料でなければ相談をしない」のだとしたら、それはもうクレクレ君になっているというです。すると、相談のタイミングは「無料かどうか」になりますから、本来相談すべきタイミングを逃してしまうことでしょう。「有料なら相談しない」のでは本末転倒です。

銀行融資に限りませんが、経営や財務を改善するにあたって「必要なコスト」をかけるのは当然のこと。にもかかわらず、コストを惜しんで改善を怠るのであれば、どれだけ本末転倒であるかはわかるはずです。

また、価値あるものに価格が付されるのは「あたりまえ」です。じぶんが商品を売る側に立てば、価値のある商品ほど高く売ろうと考えるでしょう。だとしたら、無料相談という商品は「あたりまえではない」ことにも気づきます。

しつこいようですが、無料相談自体を否定しているわけではありません。でも、あたりまえではない商品にこだわりすぎるのは「おかしい」ことに気づきましょう。そういう話をしています。「経営はあたりまえが難しい。だから、あたりまえが大事」だと言ったのは松下幸之助さんです。

クレクレ君は、あたりまえではありません。

まとめ

無料相談を利用すること自体が悪いわけではありません。ただし、その「無料」の裏にあるリスクや落とし穴に気づかないままでいると、せっかくの相談が逆効果になってしまうこともあります。

待たされた結果、融資のチャンスを逃してしまう。無料だからといって質に不満を抱える。そして、気づけば「無料じゃなきゃ相談しない」という姿勢になってしまう。そんな事態を避けるためにも、「無料」という言葉に飛びつく前に、少し立ち止まって考えてみることが大切です。

時間も情報も信用も、無料では得られないことがある。それが現実です。だからこそ、目先の「おトク」よりも、本当に得たい「成果」から逆算して相談の選択肢を考えてみましょう。それが、よりより財務改善にもつながるはずです。

この記事を書いた人

1975年生まれ、横浜在住。税理士、発信者、習慣家。2016年に独立以来、きょうまでブログは毎日更新中。近年は、銀行融資支援を得意な仕事にしている。借りれるうちに借りれるだけ借りよ、が口グセ
現在は1日1万歩以上、ひと月150kmほど走る。趣味は、コーヒーとサウナ、読書、散歩、アニメ。スタバでMacがマジカッコいい!と思い続けてる
くわしいプロフィールはこちら

目次