厚さ4.98mm、もはや「充電できる紙」。SMARTCOBY ULTRA SLIM 3Kは万人向けではありませんが、ミニマリストには最強の武器です。5Kとの比較や、大容量バッテリーとの「二刀流」で輝く活用法をレビューします。
4.98mmの世界。これはもはや「紙」である
以前、こちらのブログで「SMARTCOBY SLIM 5K」というモバイルバッテリーを紹介しました。
SMARTCOBY SLIM 5K|圧倒的質感とQi2対応が魅力のモバイルバッテリー
質感、スペック、そしてQi2対応。すべてにおいて高次元でまとまった、「最適解」とも呼べる、カード型のモバイルバッテリーです。で、
「これ以上の正解はない」
そうおもっていた僕の手元には、今、ある1つのプロダクトが届いています。クラウドファンディングで話題になった、「SMARTCOBY ULTRA SLIM 3K」です。
結論から言いましょう。
これは、万人にはおすすめしません。しかし、「荷物を極限まで減らしたい」「バッテリー切れの保険が欲しい」というミニマリストな人などには、5Kすら過去にする「最終兵器」になり得ます。
今回は、兄貴分である5Kと比較しながら、この薄すぎる3Kの実力と、あえて3Kを選ぶべき理由について語ることにしましょう。
まず、箱を開けて驚愕しました。「薄い」とは聞いていましたが、ここまでとは…
厚さは驚異の4.98mm。前作の5K(8.7mm)も十分に薄かったのですが、今回はそこからさらにダイエットして、iPhone本体(画像はiPhone16)よりも薄くなってしまいました↓

手にした瞬間、冷んやりと伝わるステンレスの質感。
5Kはアルミ合金でしたが、3Kはより硬質で高級感のあるステンレス筐体を採用しています。この圧倒的な剛性感と薄さは、もはやガジェットというより、1枚の「金属製の紙」に近い感覚です。
iPhoneの背面にピタッと吸着させたときの一体感は、5Kを凌駕します。ポケットに入れても、膨らみすら感じさせない。「持っていることを忘れる」とは、まさにこのことでしょう。
【スペック比較】5K vs 3K。数字に見る「割り切り」の美学
では、冷静にスペックを比較してみます。
ここを見れば、3Kがいかに「割り切った」製品であるかが分かるはずです。
| SMARTCOBY SLIM 5K | SMARTCOBY ULTRA SLIM 3K | |
| 厚さ | 8.7mm | 4.98mm(圧倒的!) |
| 重さ | 約117g | 約82g |
| バッテリー容量 | 5,000mAh | 3,000mAh |
| ワイヤレス出力 | 最大15W (Qi2) | 最大7.5W (MagSafe対応) |
| 有線出力 | 最大20W (PD) | 最大10W |
| 素材 | アルミニウム | ステンレス |
| 独自機能 | 「探す(Find My)」機能搭載 |
こうして見ると、出力や容量といった「パワー」の面では、明らかに5Kに軍配が上がります。
特にワイヤレス充電がQi2(15W)ではなく、通常の7.5Wである点は、充電スピードを求める人には物足りないかもしれません。
また、3Kには、5Kにはない「探す(Find My)」機能が搭載されているのもポイントです。

下・
SMARTCOBY SLIM 5K
「20,000mAh」との二刀流こそが最強の布陣
「3,000mAhなんて少なすぎて不安だ」
そう感じる方もいるでしょう。僕自身、ふだんはパソコンも充電できる20,000mAhの大容量モバイルバッテリーを常に持ち歩いています。
「じゃあ、3Kはいらないのでは?」
いいえ、違います。これらはまったく「目的」が異なるのです。
「移動しながら」の充電に革命が起きる
20,000mAhのバッテリーは、カフェやコワーキングスペースなどで、どっしり構えて仕事をするときの「母艦」です。
しかし、移動中にスマホの充電が切れそうになったとき、この重たいレンガのようなモバイルバッテリーとスマホをケーブルで繋ぎ、束ねて持って歩くのは現実的ではありません。重いし、邪魔だし、スマートではありません。
そこで、3Kの出番です。移動中や電話中でも、ちょっとした隙間時間に、この「ほぼ紙」をiPhoneの背面にピタッと貼り付ける。
たったそれだけで充電が始まり、ケーブルの煩わしさも、重さのストレスも一切ありません。あまりに薄く軽いため、貼り付けていることすら忘れて操作を続けられます。
- 20,000mAh:非常事態やPC作業のための「安心材料(母艦)」
- SLIM 3K:移動中や通話中の「機動力(戦闘機)」
この役割分担こそが、僕は最適解だと感じています。
「容量3,000mAh」は本当に足りないのか?
「3,000mAh」という数字だけを見ると、iPhoneなどを充電した場合、回復量は40〜60%ていどです。0%から100%にはできません。
しかし、先ほどの「二刀流」の考え方や、日常のシーンを思い出してみましょう。僕たちがモバイルバッテリーを必要とするのは、
「夕方の商談前に、バッテリーが残り20%を切って不安…」
「帰りのタクシーで連絡を取りたいのに、画面が暗くなりそう…」
こういう「あと少しあれば家に帰り着けるのに!」というシーンではないでしょうか。
そのための「保険」として割り切るなら、3,000mAh(実質スマホ半日分)は必要十分なのです。
5Kではなく、あえて「3K」を選ぶべき人
では、結局どちらを買うべきなのか。僕の結論はこうです。
SMARTCOBY SLIM 5K がおすすめな人
- 「メイン」のバッテリーとしてこれ1台で済ませたい人
- 充電スピード(Qi2の15W)は譲れない人
- iPhoneを0%から満充電近くまで回復させたい人
SMARTCOBY ULTRA SLIM 3K がおすすめな人
- すでに大容量バッテリーを持っていて、「機動力」を足したい人
- ケーブルに繋がれたままスマホを使うのが嫌いな人
- モノをよく失くすので、「探す」機能がついていると安心な人
- ステンレスの質感と、紙のような薄さにロマンを感じる人
まとめ:これは「充電できる紙」だ
SMARTCOBY ULTRA SLIM 3K。
これは単なるモバイルバッテリーではありません。「いざという時にスマホを延命できる、充電機能を持った紙」と捉えるのが正解です。
出力や容量といったスペック競争から降り、「存在を消すほどの薄さ」と「安心感」に全振りした、とても潔いプロダクトです。クラファンで好評だったので製品化されるはず。
使う人は選びます。しかし、20,000mAhなど大容量のモバイルバッテリーという母艦を持ちつつ、最前線での機動力を求めるあなたなら、きっとこの薄さの虜になるはずです。
常にカバン、いや財布や手帳に忍ばせておく「お守り」として。僕はしばらく、この「紙」と付き合ってみようとおもいます。

