創業期の「実績不足・接点不足」という壁を、オンラインで動ける選択肢で突破する戦略を提案します。
バーチャルオフィスでも「即NGとは限らない」可能性を残しつつ、いまどきの開業事情に合わせた銀行活用術です。
先に結論(10秒で要点)
- バーチャルオフィスでも、口座開設や融資が「即NG」とは限らない
- 創業直後は「信用保証協会付き × オンライン」で、接点不足を突破するのが現実的
- 実績が育ち、決算がそろってきたら「プロパー」も視野に入る(最初から狙いすぎない)
創業当初の「金融機関との接点不足」という壁をどう越えるか
会社をはじめたばかりのころ、いちばんの悩みは、やはり「おカネ」のことではないでしょうか。
事業を伸ばしたい。
そのための資金を確保したい。
そうおもって銀行の門を叩いても、現実はなかなか厳しいものです。
実績がない。
担保がない。
なにより、金融機関との「接点」がまったくない。
リアルな店舗を構える銀行ほど、この「過去の積み重ね」や「対面での信頼」を重視する傾向があります。
創業期の社長にとっては、地図を持たずに霧のなかを歩くような感覚になることもあるはずです。
リアルな接点に固執する「既存銀行」の壁
地方銀行や信用金庫といった「リアル銀行」と付き合うには、一定の手間が必要になることがあります。
たとえば、平日の昼間に支店へ行く。担当者と話す。書類にハンコ。
信頼関係ができれば心強い一方で、創業直後の忙しい時期に「信頼の貯金」を作るのは簡単じゃない。
「おカネを借りる準備で、本業の時間が削られる」
この矛盾に、頭を抱える社長は多いとおもいます。
ネット銀行という「新しい選択肢」が、霧を少し薄くする
ここで、ネット銀行という選択肢が効いてきます。
代表例としてPayPay銀行のように、対面や移動の手間を減らして、オンラインで進められる仕組みもみられるようになりました。
もちろん、ネット銀行なら誰でも簡単に借りられる…なんて話ではありません。
でも、これまで「リアルな接点」という高いハードルだった入口が、オンラインという「入りやすい入口」に変わる。
この差は創業期には地味に効いてくるはずです。
バーチャルオフィスは審査対象外、という古い常識を疑え
「本店所在地がバーチャルオフィスだと、口座すら作れない…」
そんな話を耳にしたことがあるかもしれません。
たしかに、昔は敬遠されやすかったのも事実です。
実体が見えにくい、実在性が疑わしい。金融犯罪対策の文脈でも、銀行が慎重になるのは当然でしょう。
ただ、いまはこう考えるのが安全です。
バーチャルオフィスでも「即NGとは限らない」。ただし、実体確認の資料がより重視される。
前述のPayPay銀行でも、バーチャルオフィスだからといって即NGとは限らず、事業実態の確認資料(WEBサイト、会社案内、契約書や請求書など取引の証拠)をそろえることで、口座開設検討のテーブルに乗りやすくなります。
ではいっぽうで、バーチャルオフィスで門前払いされやすい典型とは。次のとおりです。
「門前払い」されやすい典型理由を3つだけ
- 事業内容が説明できない(WEBサイト、会社案内の内容が薄い)
- 入出金の根拠が弱い(見積・契約・請求・入金予定など、取引の裏付けが出せない)
- 住所・連絡先まわりの整合が取れない(書類と実態のズレ、連絡がつかない)
対面の雑談で埋められない分、「見える情報」で安心させるのが大切です。
社長の時間を奪わない。オンライン完結という「もう一つの金利」
銀行融資といえば、これまでは「移動」と「待ち時間」のセットでした。
平日の真っ昼間に仕事を切り上げて支店へ向かう。
受付で待つ。書類の山。
この「社長の時間を奪うコスト」は、金利のコンマ差より重たいケースもあります。
本業に集中したい。
1分1秒でも長く、顧客や事業のことを考えたい。
そんな社長にとって、オンラインで完結できることは、単なるラクではありません。
時間が浮く。判断が早くなる。これ自体がメリットです。
Web面談で「人の確認」も入る
参考として、PayPay銀行の 事業性融資(信用保証協会付融資) では、本審査の過程で必要に応じた Web面談 が案内されています。
つまり「オンライン=機械的に点数だけ」ではなく、説明の場がある前提で準備できる ということです。
24時間365日、思い立った瞬間に動けることが「攻め」の第一歩
「あ、いま資金が必要だ」
社長そのように考える瞬間は、銀行の営業時間内に来るとは限りません。
夕方以降、資金繰り表を眺めているとき。
週末に新しい事業のアイデアが降りてきたとき。
熱量が高い瞬間に、そのまま手を動かせる。これは、24時間365日申込みに対応している、オンライン型の強みといえます。
創業期は「保証協会付き→プロパーも視野」が王道
創業期の融資は、まず「信用保証協会付き」からスタートするのが王道です。
公的な保証があるからこそ、実績のない会社でも検討の土俵に乗りやくなります。
そしてPayPay銀行は、信用保証協会保証付融資を、まず東京都から開始している点は注目です。
その他のネット銀行も含めて、対象が広がる可能性を期待できます。
(対象エリアや要件は変わりうるので、検討時は最新情報をご確認を)
ここで、地雷を踏まないために一言だけ。
「創業→すぐプロパー」は、現実には難しいケースが多いものです。
たとえば 、「設立から2年以上経過、または決算2期終了」 といった条件が1つの目安になります。
だとすれば、次のように考えるのがよいでしょう。
- 創業直後→保証協会付き(オンライン完結+Web面談)で接点不足を補う
- 決算が2期そろったら→プロパーも選択肢として検討する
なお、金利などの条件は変動します。「最新は公式サイトなどで確認」を基本姿勢にしておきましょう。
PayPay銀行が「合う会社/合わない会社」
ここまで、再三PayPay銀行を取り上げてきました。とはいえ、この記事は広告ではありません。
特定の銀行を推す意図はなく、あくまで創業期の「口座・融資の選択肢」を増やすための整理です。
ネット銀行の一例として PayPay銀行を取り上げましたが、合う/合わないは会社によって変わります。
当然ながら、 ネット銀行は万能じゃないし、向き不向きがあるわけです。
そこで、あえて「合いやすい会社」と「合いにくい会社」を分類してみます。
合いやすい会社
- 支店に行く時間が取りづらい社長
- サイトや資料、取引の裏付けを用意できる
- まずは保証協会付きで「実績づくり」をしたい
合いにくい会社
- 対面での相談や紹介、伴走支援を強く求めている
- 地域の金融機関と関係をつくりながら進めたい
つまり、この記事の趣旨はこれです。
「PayPay銀行が素晴らしい」ではなく、「こういうタイプの選択肢も持っておくとラクになる」という話。
リアル銀行とネット銀行の「二刀流」で、資金繰りの主導権を握る
銀行は、雨が降ったときに駆け込める「雨宿り先」だともいえます。
でも、その雨宿り先が1つしかなければ、もしそこで断られたら、ズブ濡れになるしかありません。
地銀や信金という「地元の避難所」を大切にしつつ、オンライン型の銀行という「すぐ開ける傘」も持っておく。
この二刀流の備えこそが、不透明な時代の誠実なリスク管理だといえます。
まとめ/チェックリストで「実体」を見える化する
さいごに、今日このあとすぐにできる「最初の1歩」です。
チェックリストにしておきます。
- 会社サイト(サービス内容、価格の目安、問い合わせ導線)
- 取引の証拠書類(契約書、見積書、請求書、入金予定がわかるもの)
- 資金使途メモ(運転・設備の内訳がわかるように)
- 資金繰り表(直近実績3か月+向こう1年の予定)
- 書類・連絡先・住所の整合(登記・WEBサイト・請求書などにズレがないか)
この5つをそろえるだけで、バーチャルオフィスでも説得力が上がるはずです。
なお、銀行選びや融資相談の進め方など、個別具体的に整理したいことがあれば、
こちら(個別相談) もご活用ください。
各会社さまの状況に合わせたアドバイスをお伝えします。

