社長が顧問税理士に頼むとよいこと、でも、意外と頼んでいないことがあります。すると、資金繰りは悪くなるので気をつけなければいけません。では、社長が何を頼めばよいのか?
頼むとよいのに意外と頼んでいない
社長が顧問税理士に頼むとよいこと、でも、意外と頼んでいないことがあります。もちろん、頼まずともやってくれる税理士もいるわけですが、やってくれない税理士もいるので、その場合には社長のほうから頼まなければいけません。
では、何を頼むとよいのか?結論として、まずは列挙します。以下の3つです。
- 試算表を速く
- 納税額の予測
- 科目の見直し
裏を返すと、これらは税理士が顧問先に対して「したほうがよいこと」でもあります。ですから、できているかどうかを、あらためて確認してみるのがよいでしょう。このあと、上記3つの内容について、具体的に解説をしていきます。
ちなみに、社長が頼んだほうがよいのはなぜなのか、税理士がしたほうがよいのはなぜなのか?それは、会社の資金繰りがよりよくなるからです。逆に、社長が頼まずに、税理士もしないのであれば、資金繰りは悪くなるということです。
資金繰りは会社の持続・成長にかかわります。ゆえに、気をつけなければいけません。
社長が顧問税理士に頼むとよいこと
社長が顧問税理士に頼んだほうがよいのは、会社の資金繰りがよりよくなるからだと前述しました。もっと具体的に言うと、銀行融資がより受けやすくなるからです。融資を受けることができれば、その分だけ預金残高が増えます。結果、資金繰りはよりよくなるわけです。
銀行融資の本質は、借入(負債)が増えることではなくて、預金(資産)が増えることにあります。だとすれば、銀行融資をスムーズに受けられるようにするのは大事なことです。そのためにも、社長が顧問税理士に頼むとよいことを押さえておきましょう。
試算表を速く
社長が顧問税理士に頼むとよいこと、1つめは「試算表を速く」です。
そもそも、年にいちどの決算書に対して、月にいちどの試算表があります。その試算表をつくっていないというのは論外です。毎月つくることが大前提になります。言うまでもありませんが、試算表がなければ、社長は会社の状況を「客観的に(数字で)」把握できないからです。
よって、銀行もまた「試算表をつくっていないのは論外」だと考えています。繰り返しですが、試算表を毎月つくっていないということは、社長が会社の状況を把握できていないのと同義だからです。結果として試算表がない会社は、試算表がある会社に比べて融資が受けにくくなります。
そのうえで、試算表に求められるものが速さです。試算表を毎月つくっているとしても、2か月も3か月もあとになってつくられるのでは意味がないことはわかるでしょう。社長が把握する情報としては古すぎます。では、どれくらいの速さでつくればよいのか?
目安は、翌月10日です。これであれば、月末まで20日ほど残されているので、月内で打てる手も多くなります。逆に、試算表のできあがりが遅くなるほど、月末までの日数は少なくなるので、月内で打てる手は少なくなってしまいます。どちらがよいかは一目瞭然です。
だから、試算表のできあがりが速い会社、その試算表をもとに経営判断ができて、有効な手が打てる会社は銀行から好まれます。融資が受けやすくなるということです。
社長は試算表を速くつくれるよう、顧問税理士に頼みましょう。そのためには会社がすべきこともありますから(資料の準備や会計ソフトへの入力など)、顧問税理士に相談しながら「いっしょに考える・いっしょに取り組む」ことが大切です。
納税額の予測
社長が顧問税理士に頼むとよいこと、2つめは「納税額の予測」です。
納税額の予測は試算表ができたタイミングで、つまり、毎月予測することが重要になります。いっぽうで、決算直前の年に1回だけ予測するというのではいけません。決算直前でできることは限られますし、納税を嫌って利益を減らそうとする(費用を増やそうとする)社長がいるからです。
利益を減らせばどうなるか?銀行にとっては「利益=返済力」ですから、利益を減らした分だけ融資が受けにくくなります。利益を増やすために費用(支出)を増やせば、おカネが減るのであり、さらに融資が受けにくくなるのであれば、資金繰りのダメージは2倍です。
この点、納税額の予測を毎月しておくことで、社長が早めに納税のイメージができれば、決算直前になって「税金が多すぎる…!」などと慌てずにすむでしょう。つまり、利益をみずから減らすようなことはせずに、出せる利益をきちんと出せる会社になります。
納税額の予測は、社長みずから「利益×税率」で試算することもできますが、いわゆる別表加算による調整や、繰越欠損金、税額控除といった専門的な要素もあるので、税理士に予測をしてもらうのが正確だし賢明です。
なお、「利益が増えれば納税が増える」と資金繰りを心配されるかもしれません。ですが、法人税については銀行から「納税資金」として融資を受けることが可能です。税金を実質的に分割払いできますので、融資による納税も検討しましょう。利息の支払いは必要ですが、預金残高をより高く維持できるメリットのほうが大きなものです。
科目の見直し
社長が顧問税理士に頼むとよいこと、3つめは「科目の見直し」です。
ここでいう科目とは「勘定科目」であり、ふだんの経理処理にかかわる話となります。どのような勘定科目を使うかには自由度もありますが、だからこそ銀行対応まで考えた科目選びが大切です。
同じ取引であっても、経理処理しだい・科目しだいで、銀行融資の受けやすさは変わることがありえます。そこもふまえて、顧問税理士には科目の見直しをしてもらえるとよいでしょう。
わかりやすいところでいえば、実質的には「特別損失」なのに、「販売管理費」の科目で経理処理しているケースがあります。すると、営業利益や経常利益の評価をムダに落としかねません。
とはいえ、最終利益は変わらないので、税務署に対して問題になることもなく、ややもすると社長はそのムダに気づいていないことはあるものです。そこを顧問税理士に頼んでアドバイスしてもらいましょう、ということになります。
ただし、税理士もいろいろですから、銀行融資のことがわかる税理士とわからない税理士とがいる点には注意が必要です。この点については、以下の別記事でも書きました。
科目を見直す際のヒントとして、僕が執筆した書籍も役立つものとおもいます。こちらの内容も参考に、顧問税理士といっしょに見直しを検討していただくのもおすすめです。
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まとめ
社長が顧問税理士に頼むとよいこと、でも、意外と頼んでいないことがあります。すると、資金繰りは悪くなるので気をつけなければいけません。では、何を頼むとよいのか?以下の3つです。
- 試算表を速く
- 納税額の予測
- 科目の見直し
資金繰りは会社の持続・成長にかかわります。ゆえに、顧問税理士がやってくれないようであれば、社長のほうから頼むようにしましょう。いっぽうで税理士は、顧問先に対してできているかどうかを、あらためて確認してみましょう。