(わが社の)おカネはどこへ消えた?

わが社のおカネはどこへ消えたのか?そうおもわれる社長がいるのではないでしょうか。あるはずのおカネはどこへ消えたのか。その謎に迫ります。

目次

おカネは3つのいずれかに使われた

わが社のおカネはどこへ消えたのか?

そうおもわれる社長がいるのではないでしょうか。つまり、会社にあるはずのおカネがない。あるはずのおカネが預金には残っていない…わが社のおカネはいったいどこへいってしまったのか?と、そんな状態にある社長です。

利益を出して増やしたはずのおカネや、銀行から借りたはずのおカネはどこへ消えたのか。今回は、その謎に迫ります。細かな話は後回しにするとして、先に結論を示すと次のとおりです。

  • 返済
  • 赤字
  • 資産

あるはずのおカネがないのであれば、そのおカネは上記3つのいずれかに使われたことになります。わが社のおカネはどこへ消えたのか?このあと詳しく確認していきましょう。

わが社のおカネはどこへ消えたのか

あるはずのおカネが消えたというのであれば、そのおカネは「返済、赤字、資産」の3つのうちいずれかに使われたことになります。自社があてはまるのはどれなのか、確認しながら読み進めてみましょう。

返済

わが社のおカネはどこへ消えたのか、1つめの答えが「返済」です。もう少し具体的にいうと、銀行から借りたおカネの返済であり、返済をすることでおカネは減っていきます。

聞けばあたりまえのことなのに、なぜおカネが消えたかのように感じてしまうのか。それは、借入の返済が「費用」ではないからです。借入にともなう利息の支払いは費用になるいっぽうで、元金を返済するための支払いは費用になりません。

たとえば、利益が100万円、返済が100万円だとします。このとき、社長が「利益100万円=手元に残るおカネ100万円」と考えていると、「おカネはどこへ消えた?」となってしまいます。

前述したとおり、返済は費用ではないため、利益100万円を計算する過程で返済は考慮されていません。したがって、利益のなかから返済しなければならず、利益で増えたおカネ100万円は返済100万円によって使われることになります。利益で増えたおカネ100万円は残りません。

この場合、手元に残るおカネはゼロとなり、これが「おカネはどこへ消えた?」の答えです。

たしかに、利益が出るとおカネは増えますが、返済があればその分のおカネは減る。社長は、この「しくみ」を理解しておきましょう。理解できずにいると資金繰りを見誤ってしまいます。

赤字

わが社のおカネはどこへ消えたのか、2つめの答えが「赤字」です。銀行から借入したのにおカネが残っていない、というケースのひとつがこれにあたります。

たとえば、1,000万円の借入をすれば、1,000万円のおカネが増えます。前述したとおり、返済によっておカネは減りますが、その分だけ借入も減るという点では問題ありません。問題があるとすれば、借入したおカネを赤字の補てんに使ったときです。

たとえば、500万円の赤字が出れば、500万円のおカネが必要になります。500万円の赤字が出たということは、500万円のおカネを減らしたということです。すると、1,000万円を借りたはずなのにおカネが少ないぞ…となってしまいます。

また、借入は減っていないのにおカネだけが減るという点で問題です。赤字を出さない限りは、いくら借入をしても、借りて増えるおカネと行って来いなので、借入は無いのと変わりません。ですが、ひとたび赤字を出すとおカネは減り、借入だけが残る怖さは理解しておきましょう。

ただし、赤字のときに減るおカネをおぎなう、赤字のときに耐え忍ぶ、そのためにあらかじめ借入をしておカネを増やしておくという考え方も重要です。そこもふまえて、赤字によっておカネは消えることを理解しておきましょう。

資産

わが社のおカネはどこへ消えたのか、3つめの答えが「資産」です。なにかしらの資産が増えると、相対的におカネは減ります。資産をおカネで買ったと考えるとわかりやすいでしょう。

たとえば、売掛金や棚卸資産は資産です。それらの金額が増えるとどうなるか?

相対的におカネは減ります。売掛金や棚卸資産は現金化されればおカネになりますが、現金化されるまでのあいだは、その分の現金が減っていると考えられるわけです。前述したように、売掛金や棚卸資産という資産を買った(だからおカネが減った)と考えるのもよいでしょう。

ですから、利益が出たことでおカネが増えても、いっぽうで売掛金や棚卸資産が増えていれば(不良債権や不良在庫など)、トータルではおカネが減っていることもあります。社長がおカネが消えたかのように感じてしまうケースのひとつです。

また、利益を生み出さない資産の増加にも気をつけなければいけません。たとえば、過剰な設備投資です。当初の計画どおりに投資効果(利益)をあげられないと、投資額を回収できません。よって、おカネが消えることになります。豪華過ぎる社長車、華美に過ぎる事務所なども同様です。

さらには、社長への貸付金もまた、会社のおカネが消える理由になります。ほかにも、会社で株式投資や不動産投資をした結果、失敗におわれば損失分のおカネが消えることにもなるでしょう。

資産の増加によるおカネが消失する例は、枚挙にいとまがありませんのでよくよく注意が必要です。

まとめ

わが社のおカネはどこへ消えたのか?そうおもわれる社長がいるのではないでしょうか。あるはずのおカネはどこへ消えたのか。その謎に迫りました。

利益を出して増やしたはずのおカネや、銀行から借りたはずのおカネはどこへ消えたのか。結論として、下記3つが挙げられます。

  • 返済
  • 赤字
  • 資産

これらのうち、自社があてはまるのはどれなのか確認をしてみましょう。おカネが消えた理由がわかれば、対策が打てるようにもなるはずです。

この記事を書いた人

1975年生まれ、横浜在住。税理士、発信者、習慣家。2016年に独立以来、きょうまでブログは毎日更新中。近年は、銀行融資支援を得意な仕事にしている。借りれるうちに借りれるだけ借りよ、が口グセ
現在は1日1万歩以上、ひと月150kmほど走る。趣味は、コーヒーとサウナ、読書、散歩、アニメ。スタバでMacがマジカッコいい!と思い続けてる
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