銀行融資が必要ない会社とは?

銀行融資が必要ない会社とは?

「ほとんどすべての中小企業が融資は必要だ」というのが僕の考えです。その根拠として、銀行融資が必要な会社とはどのような会社なのかについてお伝えします。

目次

必要なのに必要ないと勘違い

会社の銀行融資について、「ウチは必要ない」と考える社長がいます。が、「ほとんどすべての中小企業が融資は必要だ」というのが僕の考えです。

などと言えば、賛否あることは承知しています。それでも、僕なりの根拠あってのことですし、考えるのは各自の自由であり、ご参考にしていただける人もいるだろうと思いお伝えしています。

実際のところ、本当は銀行融資が必要なのに、必要ないと勘違いしている社長はいるものです。勘違いしたままでいると、ムダに資金繰りを悪くして、事業の持続・成長をさまたげてしまうので気をつけなければいけません。

以上をふまえて、「銀行融資が必要な会社とは?」を挙げてみます。次のとおりです。

  • 会社におカネがある
  • 個人でおカネがある
  • 借入するならつぶす

これらは、僕が「ほとんどすべての中小企業が融資は必要だ」と考える根拠にもなるものです。このあと順番に解説をしていきます。

銀行融資が必要ない会社とは

銀行融資が必要な会社とはどのような会社なのか。3つ挙げてみます。裏を返すと、これらにあてはまらなければ融資が必要だということです。実は、あてはまらない会社がほとんどであり、ほとんどすべての中小企業が必要は必要であることに気づきます。

会社におカネがある

銀行融資が必要ない会社、1つめは「会社におカネがある」です。いうまでもなく、会社のなかにおカネが潤沢にあれば、銀行から借りる必要はありません。ですから、預金残高が十分である会社については、社長が「ウチは銀行融資が必要ない」と考えるのもよいでしょう。

では、預金残高が十分とは具体的にどれほどをいうのか?

僕が考える目安は、「平均月商(年間売上高÷12か月)」の6か月分」です。それくらいの預金残高があるのなら、ひとまずは安心といえるでしょう。よって、銀行融資が必要ないとの考えもわかります。ところが、それほどの預金残高がある中小企業は少ないものです。

だとすれば、平均月商の6か月分の預金を持てるまでは、銀行融資を受けて預金を増やすのがおすすめであり、銀行融資が必要だということになります。

この点、「平均月商の6か月分も預金はいらないだろう」と考える社長はいるものです。それも1つの考えではありますが、事業に必要な預金を過小に見積もっているケースもあるので気をつけましょう。くわしくは、以下の別記事に書きました。

事業に必要な預金を過小に見積もらないで

個人でおカネがある

銀行融資が必要ない会社、2つめは「個人でおカネがある」です。会社にあるおカネ(預金)は不十分であっても、社長個人でおカネがあるのなら、銀行融資は必要ないといえます。いざとなれば、社長個人のおカネを会社に入れることができるからです。

とはいえ、個人のおカネも限りがあるものでしょう。ほとんどすべての場合、おカネがあるといっても無尽蔵ではなく、会社に入れるおカネにも限度があるということです。にもかかわらず、「いざとなったら、個人のおカネを入れるから銀行融資は必要ない」と考える社長がいます。

起業時に銀行融資を受けず、社長個人のおカネ(出資・貸付)のみでやりくりしようとした結果、軌道に乗るまでおもいのほか時間がかかり、個人のおカネでは足りなかった…という例は、いくつも見聞きしてきました。ちなみに、その状態・そのタイミングで融資を受けるのは困難です。起業時であれば融資を受けられたかもしれず、だとすれば社長の判断ミスです。

したがって、会社で銀行融資が受けられるのであれば、まずは融資を受ける。それにより、限りある個人のおカネは温存することをおすすめします。個人のおカネは、いざというとき(銀行融資も受けられないとき)の「虎の子」と考えるのがよいでしょう。

借入するならつぶす

銀行融資が必要ない会社、3つめは「借入するならつぶす」です。なかには、「借金をするくらいなら事業をやめる(会社をつぶす)」という社長もいます。また、「家訓として、借金するなと親からもいわれている(だから借入はしない)」という社長もいます。

それはそれで1つの信念であり、他人がとやかくいうものではないでしょう。ただし、会社の銀行融資について誤解しているケースもあるので、そこは注意が必要です。

まず、「個人の借入」と「会社の借入」は違います。いっぱんに、個人の収入(給与)は安定しているのに対して、会社の収入(売上)は個人の収入ほど安定していません。ゆえに、借入によっておカネを余分に持つことで、資金繰りの安定をはかるのです。個人の借入と会社の借入とでは、前提が異なることを理解しておきましょう。そのうえで借入の必要性を再検討することです。

しかし、会社で借入をすれば社長の連帯保証が必要であり、会社がつぶれたときには社長個人にまで返済義務が及ぶ…と考えて、借入をかたくなに拒む社長もいます。ところが、時代は変わりました。かつては経営者保証を取られるのがあたりまえでしたが、いまは、新規融資の半分超は経営者保証を取られなくなっています。

ただただ銀行融資を毛嫌いするのではなく、銀行融資のことも学んだうえで、本当に融資は必要ないのか、融資はよくないものなのかを考えられるようにしましょう。

まとめ

「銀行融資が必要な会社とは?」について、3つ挙げました。僕が「ほとんどすべての中小企業が融資は必要だ」と考える根拠にもなるものです。

  • 会社におカネがある
  • 個人でおカネがある
  • 借入するならつぶす

裏を返すと、これらにあてはまらなければ融資が必要だということです。本当は銀行融資が必要なのに、必要ないと勘違いしていないかを確認しておきましょう。

この記事を書いた人

1975年生まれ、横浜在住。税理士、発信者、習慣家。2016年に独立以来、きょうまでブログは毎日更新中。近年は、銀行融資支援を得意な仕事にしている。借りれるうちに借りれるだけ借りよ、が口グセ
現在は1日1万歩以上、ひと月150kmほど走る。趣味は、コーヒーとサウナ、読書、散歩、アニメ。スタバでMacがマジカッコいい!と思い続けてる
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