鎌倉山「惣 common」訪問記/竹林テラスで本と過ごす至福

鎌倉山「惣 common」訪問記/竹林テラスで本と過ごす至福

「読むためだけに出かける」 そんな贅沢な休日を過ごしたくなり、鎌倉山の住宅街にひっそり佇むブックカフェ「惣 common(そう コモン)」さんを訪ねてみました。

目次

西鎌倉駅から、いざ緑地へ

スタートは、湘南モノレールの西鎌倉駅。ここから静かな住宅街を抜けて、広町緑地の入口へと向かいます。広町緑地は、鎌倉の原風景とも言える「里山」の地形がそのまま残された、広大な自然公園です。

今回は緑地内のいちぶを通るルートを選びましたが、地図には「近道だが勾配あり」「すべりやすい急坂」といった注意書きも…

広町緑地内の山道

たしかに、場所によっては道幅は狭いし、雨上がりなどは滑りやすい箇所もありそうです。歩きやすい靴と、両手が空くリュックなどの装備は必須といえます。ここは、「覚悟の散歩道」と心得て、無理のない範囲で自然を楽しむのがよさそうです。

西鎌倉駅から「惣 common」さんまでは、寄り道なしでも30分前後は見ておくとよいでしょう。

鎌倉山の竹林に開くブックカフェ「惣 common」

緑地を抜けて、緑豊かな鎌倉山の住宅街の坂を少し上がると、立て看板が見つかります。

惣commonの立て看板

その先には、特徴的な「本ののれん」が。

惣commonののれん

奥へと進み、一軒家カフェの扉を開けると、右手には温かみのあるカウンター席、奥には壁一面の本棚、そして窓の向こうには…見事な竹林が広がっていました。

まずは店内の選書棚をぐるりと一周。新刊も古書も分け隔てなく、独自のテーマで並べられています。

惣commonの店内
惣commonの店内
惣commonの店内
惣commonの店内

こういう場所での本との出会いは、まさに一期一会。ここで偶然手に取ったのが『なんでも「はじめて」大全 人類と発明の物語』。まさに僕の好奇心をくすぐるタイトルで、今日の読書のお供に決定です。

カウンターでアイスカフェラテとチョコレートケーキを注文。出来上がると席まで運んでくれるスタイルです。そして、迷わず竹林に面したテラス席へ。

テラス席での至福のひととき

このテラス席が、本当に素晴らしかった。 目の前には青々とした竹林が広がり、風が吹くと竹の葉が擦れ合う「サワサワ」という音だけが聞こえてきます。まるで自然のBGMです。僕が座ったのはソファ席だったのですが、これがまた絶妙な座り心地で…。

惣commonのテラス席

当日は妻と訪れましたが、僕たちが滞在した1時間ちょっとのあいだに、他のお客さんは5〜6名ほどが入れ替わりで訪れるていど。休日(土曜日)とは思えないほどの静けさで、ゆったりとした時間が流れていました。

そのあと訪れた七里ガ浜などは人でごった返していたので、まさに別世界のような穏やかさです。

女性ひとりで静かに読書をされている方が目立ち、おひとりさまでも気兼ねなく過ごせる雰囲気なのも、このカフェの魅力だと感じました。

気持ちの良い秋晴れで、午前の柔らかい日差しが竹林をとおして、テラスに降り注ぎます。街なかの喧騒とは無縁の静けさのなか、ただただ時間がゆっくりと流れていく贅沢さです。

ちなみに、運ばれてきたアイスカフェラテは、コーヒーの香りと苦みがしっかり立っていて本格的。チョコレートケーキも濃厚で、読書の合間に口にすると、心がホッと落ち着きます。美味しい飲み物とケーキは、読書の時間をさらに豊かに彩ってくれますね。

惣commonのカフェラテ・ケーキ

ソファに深く腰掛けて、美味しいカフェラテとケーキを傍らに、さきほど見つけた『なんでも「はじめて」大全』を開く。竹林を抜ける風を感じ、鳥の声に耳を澄ませながらページをめくる…

好奇心を満たしてくれる本の内容と、この上ない環境とが相まって、まさに至福のひとときでした。五感すべてで読書を楽しんでいる、そんな感覚です。

店内の窓際席からも竹林はよく見えて、こちらも魅力的。テーブル席だけではなく、カウンター席もありますから、1人で静かに長居したいときにも良さそうです。

そして海へ――七里ガ浜駅へ下る

名残惜しい気持ちを抑えつつカフェを後にして、帰りは海側の七里ガ浜駅へ向かいます。鎌倉山の坂を下っていく道のりで、およそ20分強。途中、視界が開けて相模湾が見える場所もあり、気持ちの良い散歩道です。

七里ヶ浜

ブックカフェという空間の魅力

今回、「惣 common」さんで過ごしてみて、ブックカフェという空間が持つ独自の魅力を再認識しました。

  • 五感で読む体験
    静かすぎず、うるさすぎない環境音、窓から見える自然の風景(ここでは竹林!)が、読書への没入感を高めてくれます。ページをめくる合間にふと目をやると緑が広がり、デジタルデバイス漬けの目には最高の休息でしょう。
  • 棚が導く偶然の出会い
    書店ほど網羅的でなく、カフェほど散漫でもない、店主の個性や想いが反映された選書範囲が、「検索」では見つけられない本との出会いを生んでくれます。今回僕が手にした本も、まさにその偶然の産物でした。
  • 「読む」に集中できる空気感
    自宅だとつい他のことに気を取られがちですが、ブックカフェには「本を読む」という目的を持った人が集まるためか、自然と読書に集中できる空気が流れています。適度な人の気配が、孤独感を和らげつつも集中を邪魔しない、絶妙なバランスを生み出しているのかもしれません。
  • 思考を深める余白
    ただ情報を得るだけでなく、読んだ内容についてじっくり考えたり、ノートに書き留めたりするのに適した「余白」のある空間。竹林を眺めながら、本の世界と思考の世界を行き来する時間は、とても創造的だと感じられます。

まとめ

「読むために、わざわざ出かける」 そんな少し贅沢な時間を過ごしたいとき、鎌倉山の「惣 common」さんはおすすめの選択肢のひとつです。広町緑地や七里ヶ浜の海との自然散策と組み合わせれば、心も体もリフレッシュできる休日になるはず。

竹林を眺めるテラス席で、美味しいコーヒーとケーキを片手に本の世界に浸る。ページの余白から、鎌倉山の心地よい風がそっと吹き込みます。

この記事を書いた人

1975年生まれ、横浜在住。税理士、発信者、習慣家。2016年に独立以来、きょうまでブログは毎日更新中。近年は、銀行融資支援を得意な仕事にしている。借りれるうちに借りれるだけ借りよ、が口グセ
現在は1日1万歩以上、ひと月150kmほど走る。趣味は、コーヒーとサウナ、読書、散歩、アニメ。スタバでMacがマジカッコいい!と思い続けてる
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