AIをどう操作するか、どう自動化するか。CLAUDE.mdの話題はそういう文脈で語られがちです。
でも、操作はいずれ不要になるかもしれません。
そのとき残るのは、じぶんの価値観や判断基準を言葉にできる力のほうではないか、という話です。
操作はいずれ不要になる。じゃあ何が残るか
AIで会計ソフトを操作する、みたいな話が盛り上がっています。
たしかに楽しいし、やることでAIへの理解も深まる。それは間違いありません。
ただ、たぶん本丸はそこじゃないとおもっています。
いま話題なのは、たとえば、AIで会計ソフトを外から操作すること。でもいずれは、会計ソフト自体がAIを取り込んで、その操作すら不要になるかもしれません。
じゃあ何が残るか。
残るのは、 こちら側の言語化の力 です。
「じぶんは何を大事にしているのか」
「誰に、何を届けたいのか」
それを言葉にできるかどうか。
AIが賢くなるほど、問われるのはそこだとおもうのですね。
今日すぐ成果が出るテクニックではないかもしれません。
でも、来年のじぶんを助ける土台になる。
操作スキルを磨くことに夢中になっているうちに、その操作自体が要らなくなる日が来るかもしれない。そのとき手元に何が残っているかを、いまのうちに考えておいても損はないのではないでしょうか。
先に要点からいうと…
- AIの操作スキルは、いずれソフト側が吸収する。残るのは「こちら側の言語化の力」
- CLAUDE.mdに書くべきは作業手順ではなく、じぶんの価値観・読者像・やらないこと
- じぶんを渡しておくと、AIは「芯のズレ」にまで気づいてくれるようになる
CLAUDE.mdに書くべきは「じぶん」
僕はCLAUDE.mdに、作業手順ではなく、思考と価値観を書いています。
CLAUDE.mdというのは、Claude(AIツール)に対して、じぶんの前提や方針を事前に伝えておくためのファイルです。
この点、僕がCLAUDE.mdに書いていることは、たとえば、「誰に届けるか」。次のように定義しています。
- 中小企業の社長
年商10億円規模まで。銀行融資や資金繰りに関心があるけれど、会計や金融の専門家ではない。難しい話は苦手でも、本質は知りたい人 - 税理士・士業
実務に関心があり、再現できる視点や型を求めている。一般論ではなく、実務に落ちる話を求めている人 - 発信を続けたい個人
気合いや根性ではなく、続けられる考え方や設計を知りたい人
こういった定義をせずに、AIに作業手順だけを渡しても、「それっぽいもの」は返ってきます。
でも、「誰に向けて」が入っていないと、その回答は薄くなるものです。あたりさわりはないけれど、本当の意味では役に立たない…みたいな。
一般向けの正解ではなく、 この人たちに届く言葉を選んでほしい。 その前提を、CLAUDE.mdに記して先に渡しておくわけです。
「やらないこと」が、スタンスをいちばん正直に伝える
もうひとつ、CLAUDE.mdには「やらないこと」も書いています。たとえば、
- 過度な煽り
- 上から目線
- 安っぽい自己啓発っぽさ
- 「これだけで解決」系の雑な断定
- バズ狙いだけの空疎な言い切り
- ツールやAIの礼賛で終わること
- 実務や生き方に着地しない抽象論
これを読んだAIは、「何を書くか(答えるか)」だけでなく「何を書かないか(答えないか)」まで理解します。
スタンスって、「やること」より「やらないこと」のほうが正直に出るものですよね。
だからこそ、ここを先に渡しておく意味は大きいとおもっています。「やること」だけ伝えると、AIはいくらでもそれっぽく広げてくれます。でも、広げた先がじぶんの芯と合っているかどうかは、「やらないこと」を知らないと判断できませんよね。
じぶんを渡したら、AIが芯のズレに気づいてくれた
ひとつ、実際にあったことを書きます。
とある発信について、Claudeと壁打ちをしていたときのことです。僕が「こういう内容を書こうとおもう」と伝えたところ、Claudeから「それはジョーの芯とずれるのでは?」という指摘が返ってきました。
正直、ドキッとしました。
発信を広げようとするあまり、じぶんが信条としているものからずれかけていた… 言われてみれば、たしかにそうでした。
これは、ふだんからCLAUDE.mdでじぶんの価値観や判断基準を共有していたからこそ、起きたことです。
もしAIにただ「こういう記事を書いて」と頼んで、返ってきたものをそのまま採用する使い方をしていたら、こういうフィードバックはもらえなかったでしょう。
AIとの壁打ちは、結局のところ「自己対話」なのだと僕は考えています。
「じぶんは何を大事にしているのか」
「誰に、何を届けたいのか」
それを先に言葉にしておくからこそ、AIは「それ、ズレてない?」と返してくれる。じぶんを渡していないAIには、ズレているかどうかの判断材料がそもそもないのですね。
書き足すだけでなく、整理する
CLAUDE.mdは、気をつけないと「書き足す」ことばかり考えがちです。
でも「育てる」という視点でいえば、整理する習慣も要ります。
僕も先日、重複していた項目をまとめ、似た話を繰り返していた箇所を圧縮しました。さらに「次に見直すとしたらここ」というメモも1行仕込んであります。
削るんじゃなく、整理する。そのトリガーを、ファイルの中に埋めておく。
CLAUDE.mdは、完成させるものじゃなく、育てるもの だとおもっています。
じぶんの考えも変わるし、AIとの付き合い方も変わる。だからこそ、定期的に見直して、いまのじぶんに合った状態にしておくことが大事なのではないでしょうか。
まとめ
AIの操作スキルが話題になっています。AIの進化はますます速く、そして日常に自然と溶けこんでいくでしょう。そのとき残るのは、じぶんの価値観や考えを言葉にできる力のほうです。
僕たちがいま時間を使うべきは、操作の習得よりも、じぶんの言語化のほうだと考えています。
- AIの操作スキルはいずれ不要になりうる。残るのは「こちら側の言語化の力」
- CLAUDE.mdに書くべきは作業手順ではなく、じぶんの価値観・読者像・やらないこと
- じぶんを渡しておくと、AIは壁打ち相手として「芯のズレ」にまで気づいてくれる
最初の1歩
- AIに何かを頼む前に、「じぶんは何を大事にしているか」を3行でいいから書き出してみる
- 「やりたいこと」だけでなく「やらないこと」もリストにしてみる
- CLAUDE.mdが長くなってきたら、一度整理して「いまのじぶん」に合っているか確認してみる
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