プロパー融資を受けられるようになりたいのなら、メインバンクよりもサブバンクにはたらきかけるのは、１つの方法です。その理由を理解して、プロパー融資の開拓を進めましょう。
プロパーを受けられるようになりたいのなら
会社の銀行融資について、「プロパー融資を受けられるようになりたい」というのなら。メインバンクよりもサブバンクにはたらきかけるのは、１つの方法です。
そもそも、民間金融機関からの融資は、信用保証協会の保証付き融資とプロパー融資とに分かれます。このうち保証付き融資は、信用保証協会の保証が付いた融資であり、会社にとってはデメリットがあるものです。たとえば、制度上の限度額があることや、信用保証料の支払いが必要になるなど。詳しくはこちらの記事で書きました。
いっぽうのプロパー融資は、信用保証協会の保証がない融資であり、会社にとってはメリット（保証付き融資のデメリットの裏返し）があります。ところが、銀行にとってはリスクがある融資であるため、プロパー融資がなかなか受けられないという会社はあるものです。
そこで、冒頭の話に戻ります。メインバンクよりもサブバンクにはたらきかけるのは、１つの方法です。その理由を理解することで、サブバンクに対してプロパー融資の開拓を進める動機としましょう。ぜんぶで３つ、次のとおりです。
- プロパーにも積極的
- メインに面目が立つ
- メインに緊張を生む
このあと順番に解説していきます。
プロパー融資の開拓はサブバンクがよい理由
メインバンクとは、自社の借入先のうち、もっとも借入残高が多い銀行をいいます。次いで残高が多い銀行がサブバンクです。メインバンクには、その融資先を支える役割があります。よって、積極的かつ柔軟な姿勢が基本ですが、必ずしもそうとはいえません。
銀行もさまざまであり、場合によっては、会社のほうからはたらきかけることも必要です。メインバンクがプロパー融資をしてくれないのであれば、サブバンクにはたらきかけるタイミングといえます。というわけで、プロパー融資の開拓はサブバンクがよい理由を押さえていきましょう。
プロパーにも積極的
プロパー融資の開拓はサブバンクがよい理由、１つめは「プロパー融資にも積極的」です。
サブバンクのなかには、隙あらばメインバンクの座を奪いたいと考えている銀行もあります。そのようなケースでは、融資残高を増やすために積極的な姿を見せることはあるものです。プロパー融資は、その一例にあたります。
前述したとおり、プロパー融資は銀行にとってリスクをともないますが（保証付き融資に比べると）、メインバンクの座と引き換えにリスクを取りに行くことはあるのです。自社の業績がよい場合などは、銀行もとくにリスクを取りやすいでしょうから、サブバンクにはたらきかけるチャンスといえます。
プロパー融資のみで相談をしてみるか、難しいようなら、保証付き融資とプロパー融資のセットで相談をしてみるかです。銀行からの提案を待っているだけでは、チャンスを逃してしまうこともあります。ダメ元でも、こちらから相談をしてみることが重要です。
メインに面目が立つ
プロパー融資の開拓はサブバンクがよい理由、２つめは「メインに面目が立つ」です。
サブバンクにプロパー融資の相談をしてみましょう、といいました。そのうえで、サブバンクが応じてくれるようであれば、その旨をメインバンクにも伝えましょう。このとき、サブバンクからは提案書として融資条件を明文化してもらっておくのがおすすめです。
その提案書をメインバンクに提示して、「このような提案をもらっているので、お受けしようか検討しています。御行からも提案をもらえますか」などと伝えます。
メインバンクとしても黙ってはいられないということであれば、なにかしらの提案があるはずです。逆に、提案ももらえないようなら、実質的にはメインバンクではない可能性があります。借入残高が一番であっても、保証付き融資でしか融資をしない銀行はあるものです。
いずれにせよ、メインバンクに対して一度は声がけをしたのですから面目は立ちます。これが、声がけもせずにサブバンクから保証付き融資を受けたり、プロパー融資を受けたりしていれば、メインバンクが気を悪くすることはあるでしょう。サブバンクが提案してくれたという事実、とその伝達が重要です。
メインに緊張を生む
プロパー融資の開拓はサブバンクがよい理由、３つめは「メインに緊張を生む」です。
サブバンクからプロパー融資を受けられるようになると、メインバンクもうかうかしていられません。会社としてはプロパー融資も受けたいのですから、メインバンクが保証付き融資ばかりでは、会社がサブバンクのほうになびいてしまうことはありうるからです。
というように、サブバンクからプロパー融資を受けることで、メインバンクに対して緊張感を生み出すことができるのはメリットでしょう。メインバンクに頼り切っていると見られると、メインバンクからの提案は、どうしても銀行優位なものになってしまいます。保証付き融資をはじめ、担保や保証を求められたり、金利が高くなったりはそのあらわれです。
したがって、会社はメインバンク以外からも融資が受けられること、それも会社にとって良い条件で融資が受けられることが重要になります。それが、メインバンクとも長期的に良い関係性を築くことにも繋がるのです。
これを実現するためには、良い会社になることです。銀行から「貸したい」とおもわれるような会社になることであり、端的にいえば、利益をきちんと出せる会社になることが欠かせません。いっぽうで、貸したいとおもわれなければ、サブバンクにはたらきかけることもかないません。
まとめ
プロパー融資を受けられるようになりたいのなら、メインバンクよりもサブバンクにはたらきかけるのは、１つの方法です。その理由として、３つ取り上げました。
- プロパーにも積極的
- メインに面目が立つ
- メインに緊張を生む
これらの理由を理解することで、サブバンクに対してプロパー融資の開拓を進める動機としましょう。保証付き融資ばかりだと会社にはデメリットがあります。プロパー融資を受けられるようになることが大切です。
