税理士として働いていると、一度は聞く言葉があります。
「顧問料が高い」。
昔の僕は、それをじぶんの力量不足だとおもっていました。でも、違った。
「顧問料が高い」と言われてきた
先に本記事の要点からいうと…
- 税理士は構造的に「コストの文脈」に置かれている。質の問題ではなく、構造の問題
- コストの文脈にいる限り、どれだけがんばっても報酬は「出ていくもの」として見られやすい
- 文脈を変える選択肢のひとつとして、融資支援がある
税理士事務所に約20年、勤めていました。
そのあいだに「顧問料が高い」という社長の声を、片手では収まらない数、聞いてきました。
当時の僕は、一会社員です。
価格決定権は持っていない。報酬の交渉ができる立場でもない。
それでも担当者として、やるべきことはやっているという自覚はありました。
申告書は丁寧に作っていた。質問にもできる限り答えていた。
なのに、「高い」と言われる。
そのもどかしさは、なんとも言えないものでした。
最終的に、担当者の変更を求められたことがあります。
「コストに見合わない」という理由で。
たしかに、じぶんの力量不足もあったのかもしれません。
それは否定しない。でも、それだけでは説明がつかない何かが、ずっと残っていました。
あのとき感じた、やり場のなさ。
似たような経験をお持ちの方も、いるかもしれません。
最初は「力量不足」だとおもっていた
「顧問料が高い」と言われるのは、じぶんの仕事が足りないからだ。
当時はそう解釈していました。
もっと丁寧に説明すればよかった。もっとこまめに連絡すればよかった。がんばればいつか、わかってもらえる。そうおもっていた。
でも同時に、「やるべきことはやっている」という自覚もある。
この矛盾が、ずっとひっかかっていました。
力量の問題だと思っていた。だからがんばり続けた。
でも、そうじゃなかったんです。
違った。質じゃなく、構造の問題だった
税理士の仕事は、おカネが出ていく話が多い。
顧問料も、出ていく。税金も、出ていく。
なにかとおカネがかかるもの。
社長にとって税理士は、 構造的にコストの文脈に置かれている 存在です。
どれだけ丁寧にやっても、コストはコスト。
これは、仕事の質とは別の話でした。
「価値がない」と感じるのは、能力の問題じゃなかった。
文脈の問題だったんですね。
コストの文脈にいる限り、価値は見えにくい
構造の問題だとすれば、担当者を変えても解決しません。
相性がよくなっても、人柄が好かれても。
社長から見た「おカネが出ていく」という構造が変わらない限り、報酬は 「コスト」として処理される わけです。
たとえば、評価されないことに悩んで、さらに勉強して資格を増やしたとします。
それでも、コストの文脈そのものが変わらなければ、社長からの見え方は変わりにくい。
「もっとがんばればわかってもらえる」
その気持ちはよくわかります。僕もそうおもっていました。
ただ、とはいえ。がんばりで抜けられる問題と、構造を変えなければ抜けられない問題がある。
このふたつを混ぜてしまうと、いつまでも同じところで悩み続けることになるのではないでしょうか。
融資支援が「投資」に見える理由
では、なぜ融資支援は違うのか。
コストの文脈にいる税理士が、構造を変えた先にあるもの。そのひとつが、融資支援です。
融資支援は、おカネが入ってくる話です。
銀行から融資が通れば、会社の手元におカネが入ってくる。
その支援をした税理士への報酬は、社長にとって 「投資」 にも見えるでしょう。
同じ税理士でも、文脈が変わると、価値の見え方が変わる。
コストの文脈か、投資の文脈か。
この違いが、報酬に対する社長の反応を変えうるのですね。
もちろん、融資支援だけが正解だと言いたいわけではありません。
経営アドバイスや対応の速さで、顧問料への不満を減らしている税理士もいるでしょう。ただ、それもまた「コストの文脈」から「投資の文脈」へ、じぶんの立ち位置を変えている行為だと僕はおもっています。
「じぶんが置かれている文脈を変える」という発想は、持っておいて損はないのではないでしょうか。
構造を変えるという選択肢
力量を磨くことは、大切です。それは間違いない。
ただ、力量だけでは変えられないものがある。
文脈そのものを変える、という選択肢もあっていいとおもうんです。
僕は、約20年の勤務経験をへて、いまは独立して銀行融資の支援を仕事にしています。
昔の僕のように、顧問料のことで悩んでいる税理士がいるなら、そのきっかけになりたい。
そういう思いから、税理士向けの支援もしたいと考えてきました。
その一環として、このたび、顧問税理士向けの銀行融資支援教材の販売(プラットフォームBrainにて、4月20日、29,800円にて)を決めました。
詳しくは、こちらのページをご覧ください。
まとめ
「顧問料が高い」と言われる原因について、まとめてみます。
- 税理士は構造的に、コストの文脈に置かれている
- どれだけ質を上げても、コストの文脈では報酬は「出ていくもの」として見られやすい
- 融資支援はおカネが入ってくる話だから、報酬が「投資」に見える
最初の1歩
- じぶんが「コストの文脈」にいるかどうかを、いちど考えてみる
- 「評価されない」悩みが、力量の問題か構造の問題かを切り分けてみる
- 融資支援に興味があれば、まずは融資の基本から調べてみる
今回の話が、少しでもきっかけになればうれしいです。

