CIOのモバイルバッテリー、SMARTCOBY SLIM 5Kを1か月ほど使ってみましたのでレビューします。結論、圧倒的質感とQi2対応、極薄の使いやすさであり、たいへんおすすめです。
SMARTCOBY SLIM 5Kを全力でおすすめする
こんにちは、ガジェット好き税理士のモロトメジョーです。
CIOから登場した注目のモバイルバッテリー「SMARTCOBY SLIM 5K」を1か月間じっくり使用する機会がありましたので、その実力を詳しくレビューしていきます。

この製品の特長はまず、厚さわずか8.7mmという薄さでしょう。それでいて容量は5,000mAhを確保し、さらに最新のワイヤレス充電規格Qi2(チーツー)に対応している点が大きな魅力です。
そして、一番の特徴であり、一番の魅力はその質感にあります。そこは詳しく後述するとして。「とにかく薄いモバイルバッテリーが欲しい」「MagSafeでiPhoneにスマートにくっつけたい」「最新のQi2規格を試してみたい」と考えている方には、とくにおすすめできる製品です。
ちなみに、僕が使っているスマホはiPhone16です。
まずは外観とスペックをチェック

- サイズ・重量: 約102×70×8.7mm / 約117g
クレジットカードより少し大きいていどで、驚くほどに薄くて軽いです - バッテリー容量: 5,000mAh (3.7V換算 / 18.5Wh) –
実際にデバイスへ供給できる容量は充電方法により異なります(詳細は後述) - カラー展開: シルバー / ブラック
CIO製品としては珍しいシルバーのラインナップです - 充電性能:
- ワイヤレス: 最大15W (Qi2) / MagSafe非対応やiPhone 12以前は最大7.5W
- USB-Cポート: 最大20W (入力も最大20W対応)
- 素材: アルミニウム合金 (ボディ)
手に取ってみると、まずその薄さとアルミ合金のヒンヤリとした質感の良さに驚きます。表面はマットな仕上げで指紋も付きにくく、安価なプラスチック製バッテリーとは一線を画す高級感…角が丸められているので、薄いながらも持ちやすいデザインなのもGoodです。
iPhone (16/15/14シリーズなどMagSafe対応機種) の背面に磁力でしっかりと吸着できます。カメラレンズ周りにも干渉せず、本体からもはみ出さないサイズ感は秀逸です。装着した状態でもスマホの操作を妨げにくく、ポケットなどにも比較的スムーズに収まるでしょう。
実際に使って感じたメリット
では、SLIM 5Kの魅力として、実際に使って感じたメリットを挙げてみます。
持ち運びのストレスから解放
やはり、この薄さと軽さは最大の利点です。厚さ8.7mm、重さ約117gは、モバイルバッテリーとしてはトップクラスの携帯性だといえます。ジャケットの内ポケットやパンツのポケット、小さなカバンにも気軽に入れて持ち運べるのはナイスです。
「念のために持っていくか」と悩むこともなく、常に携帯できるのが嬉しいポイント。モバイルバッテリーは、いざというときに手元にあってこそ意味をなすものですから。
15Wワイヤレス充電の快適さ
MagSafe対応iPhone (13以降) など、Qi2対応デバイスをお使いなら、置くだけで最大15Wのワイヤレス充電が便利です。ケーブルを取り出す手間がなく、スマートに充電を開始できるのはとっても快適!

容量は5,000mAhですが、ワイヤレス充電は有線に比べてエネルギーロスが大きく(効率約70%)、実際にiPhoneへ供給できるのは約2,900mAh相当(12.9Wh)のもよう。これは、iPhone 16(約3,350mAhと想定)であれば約9割弱、iPhone 16 Pro Max(約4,420mAhと想定)であれば約65%程度を充電できる計算です。
フル充電には届きませんが、外出先でバッテリー残量を回復させる「ちょい足し充電」としては十分な性能だと言えるでしょう。20分ていどの充電だと、30%くらい回復するイメージです。
有線で20W急速充電もできる
USB-Cポートからの有線充電にも対応しているので、最大20Wでの出力が可能です。有線充電の場合、ワイヤレスよりは変換効率が高く(約85%)、実質的に約3,500mAh相当(15.7Wh)の電力を供給できるもよう。
これなら、iPhone 16(約3,350mAhと想定)をほぼ1回フル充電することが可能で、iPhone 16 Pro Max(約4,420mAhと想定)でも約80%まで充電できます。
「少しでも早く、より多く充電したい」「本体の発熱を抑えたい(後述)」という場面では、ケーブル接続が有効です。
パススルー充電など便利機能
- パススルー充電:
SLIM 5K本体を充電しながら、接続したスマートフォンなども同時に充電できる機能です。コンセントが1つしかない場合などに重宝します - 2台同時充電:
USB-Cポートからの有線充電とワイヤレス充電を同時に行うことも可能です(ただし、同時使用時は合計出力が10W(各5W)に制限されます) - 安全性:
過充電保護や発熱抑制はもちろん、CIO独自の「完全パススルー設計」によって、バッテリーセルへの負荷を軽減し、長寿命化を図っている点も安心材料です
使用して気になった点(デメリット・注意点)
SLIM 5Kはとても魅力的な製品ですが、いくつか注意しておきたい点もあります。
容量は使い方によって見方が変わる
公称容量は5,000mAhですが、前述のとおりで、実際にデバイスへ供給できる容量は、有線充電時で約3,500mAh相当、ワイヤレス充電時では約2,900mAh相当となります。とくにワイヤレス充電をメインで考えている場合、iPhone16を1回フル充電するには少し容量が足りない点は理解しておく必要があります。
あくまでスマートフォンのバッテリーを補助する「サブバッテリー」としての位置づけと捉えるのがよいでしょう(後述)。
ワイヤレス充電時の発熱
最大15Wのワイヤレス充電を行うときは、本体がだいぶ発熱することがあります。アルミ合金ボディは放熱性に優れているため、手で持てなくなるほど熱くなることはありませんでしたが、夏場や、ケースを装着した状態での連続使用時には、とくに熱さを感じるでしょう。これは高速ワイヤレス充電では避けられない側面でもあります。
バッテリー残量表示はLEDインジケーター

本体側面にある電源ボタンを押すと、4つの小さなLEDランプでバッテリー残量をおおよそ確認できます(1つ点灯で約25%)。詳細な残量を把握したい人にとっては、1%刻みのデジタル表示などがない点は少し物足りないかもしれません。
これは、極限までの薄型化を実現するための仕様と考えられます。慣れれば大きな問題ではありませんが、購入前に知っておきたいポイントです。
ライバル製品との比較
薄型MagSafe対応バッテリーの市場には、他にも魅力的な製品があります。例えば、TORRAS社の5,000mAhモデルや、MATECH社の「MagOn Ultra Blade 5000」などが主な競合となるでしょう。
サイズと重量を見てみると、TORRAS製は約7.6mm/111g、MATECH製は約7.55mm/122gと、いずれもかなりの薄型軽量です。CIO SMARTCOBY SLIM 5K(8.7mm/117g)も十分に薄く軽量ですが、コンマ数ミリ単位ではMATECH製などがわずかに薄い。ただし、この差は実用上ほとんど体感できないレベルかともおもいます。
重要なのは機能、価格、そして質感です。SMARTCOBY SLIM 5KとMATECH製は最新のQi2規格に対応し、最大15Wのワイヤレス充電が可能ですが、TORRAS製は従来の7.5W出力に留まるとおもわれます(Qi2非対応)。最新の急速ワイヤレス充電を求めるなら、Qi2対応は大きな魅力です。
価格面では、SMARTCOBY SLIM 5Kの定価5,980円は、7,000円台後半で販売されているTORRAS製やMATECH製と比較して明らかに優位です。約2,000円の価格差は無視できません。
さらに、SMARTCOBY SLIM 5Kが採用するアルミ合金ボディは、多くの競合製品(主にプラスチック製)と比較して高級感があり、放熱性の点でも有利だと考えられます。
これらを総合すると、SMARTCOBY SLIM 5Kは、最新のQi2対応、優れた質感、そして手ごろな価格というバランスの取れた選択肢と言えるでしょう。加えて、国内メーカーCIOによる最大2年保証などのサポート体制も、安心して選べる理由のひとつです。
大容量モデルとの使い分け
もし、SMARTCOBY SLIM 5Kの実質容量(有線約3,500mAh相当 / 無線約2,900mAh相当)や出力(最大20W/15W)では物足りない、あるいはノートPCなども充電したいという場合には、同じCIOで僕も使っている「SMARTCOBY TRIO 67W」というモデルもおすすめです。

両者のおもな違いを説明してみます。
まず容量と出力が大きく異なります。SLIM 5Kが公称5,000mAh/最大20W(有線)であるのに対し、TRIO 67Wは大容量20,000mAhを備え、最大67Wの高出力に対応します。これによりTRIO 67WはMacBook AirクラスのノートPCへの充電も可能です。
サイズと重量も対照的です。SLIM 5Kが薄さ8.7mm/約117gと携帯性を最優先しているいっぽうで、TRIO 67Wは約29.5mm/約333gと、大容量・高出力ゆえに厚みも重さもあります。日常的にポケットに入れて持ち運ぶならSLIM 5K、カバンに入れて持ち運ぶ前提ならTRIO 67Wというイメージです。
ポート構成と機能にも違いがあります。SLIM 5KはUSB-C×1とワイヤレス×1の構成ですが、TRIO 67WはUSB-C×2、USB-A×1の合計3ポートを備え、3台同時充電にも対応します。また、TRIO 67Wには1%刻みのデジタル残量表示が搭載されている点も異なります。一方で、Qi2ワイヤレス充電に対応しているのはSLIM 5Kのみの特長です。
これらの違いから、日常的なスマートフォンの補助バッテリーとして、携帯性やワイヤレス充電の手軽さを重視するならSLIM 5Kが、旅行や出張などでノートPCを含む複数のデバイスをしっかり充電したいならTRIO 67Wが適していると言えます。じぶんの用途やライフスタイルに合わせて最適なモデルを選ぶのがよいでしょう。
まとめ
CIO SMARTCOBY SLIM 5Kは、その名のとおり、スリムさを極めながら、Qi2対応ワイヤレス充電や20W有線充電といった充実のスペック、そして質感の高いアルミボディを兼ね備えた、バランスの取れたモバイルバッテリーです。
【この製品の魅力】
- 圧倒的な薄さ・軽さによる抜群の携帯性
- Qi2対応による最大15Wの高速ワイヤレス充電
- 高級感のあるアルミ合金ボディと優れたデザイン
- 有線ならiPhoneをほぼ1回充電可能な実質容量(約3,500mAh相当)
- 優れたコストパフォーマンスと国内メーカーの安心感
【注意しておきたい点】
- ワイヤレス充電では実質容量が約2,900mAh相当で、フル充電には届かない
- 高速ワイヤレス充電時の発熱
- 残量表示がLEDインジケーターであること
容量こそ「大容量」ではありませんが、有線接続であればiPhone16をほぼ1回満たすことができる実力を持っています。ワイヤレス充電メインでも、日中のバッテリー切れを防ぐには十分役立つレベルです。
なにより、持ち運ぶことが苦にならないサイズ感は、モバイルバッテリーの利便性を格段に高めてくれます。「持っているけど、重いから置いてきた」という事態を減らせるはずです。
日常的にスマートフォンを使いこなし、外出先でのバッテリー残量に少し不安を感じることがある、そんな人にはぴったりの製品。薄型・軽量でMagSafe対応のモバイルバッテリーを探しているなら、CIO SMARTCOBY SLIM 5Kは有力な選択肢のひとつとしておすすめできます。