会社の預金残高が多いメリット

会社の預金残高が多いメリット

会社の預金残高は多いほうがよい。なぜよいのかとして、預金残高が多いメリットを説明できるでしょうか。できないようであれば、会社の持続・成長に支障をきたす可能性があります。

目次

会社の持続・成長に関わる問題

結論として、会社の預金残高は多いほうがよいです。

と聞いて、「そうだよね」とおもっても、「なぜよいのか」をあきらかにはできない人がいます。また、「そうだよね」とおもっているだけで、実際には預金残高が少ないケースはあるものです。

いっぽうで、「会社の預金残高は少ないほうがよいのでは?」と考える人もいます。ところが、それは大企業のハナシであり、中小企業の特性を見誤っいるのであれば注意が必要です。

というわけで、本記事では「会社の預金残高が多いメリット」についてお話をします。メリットは3つ、次のとおりです。

  • つぶれにくくなる
  • 融資が受けやすい
  • 業績を上げやすい

これらを見て、どういうことか説明ができないようであれば、このあとの解説を確認しておきましょう。会社の持続・成長に関わる問題ですから、見逃しは厳禁です。

会社の預金残高が多いメリット

会社の預金残高が多いことには、3つのメリットがあります。これらを理解することで、預金残高が少ないと持続・成長は危ぶまれ、預金残高が多ければ持続・成長の可能性は高まるとわかるでしょう。中小企業に特有の論点もあるので、あわせて説明をしていきます。

つぶれにくくなる

会社の預金残高が多いメリット、1つめは「つぶれにくくなる」です。

会社がつぶれる原因は、ただひとつ。おカネ(預金)がなくなることです。逆に、おカネがあれば会社がつぶれることはありません。よって、会社の預金が多いほどつぶれにくくなります。

この点、大企業にあっては「預金を少なくすることが効率的」だと言われます。預金を持つにもコストはかかるし(税金、利息、配当金…)、だったら余らせておくのはもったいない。どんどん投資に回して利益を稼いだほうがいい、という考え方です。

中小企業がこれをマネしてはいけません。大企業が預金を減らせるのは、いつでも資金調達ができるからです。信用力があるので、株主から出資を募り増資もできる、銀行から借入もできます。しかし、大企業ほど信用力がない中小企業はそうもいきません。

だから、非効率だとしてもおカネを余らせておく、つまり、預金残高を多くしておく必要があります。事業は山あり谷あり、いつ何が起きるかはわかりません。いざというときに備えて、預金残高を多くしておくことが、会社をつぶれにくくすることに繋がります。

逆に効率を求めるあまり、預金残高をあえて少なくしている社長は気をつけましょう。資金ショートを起こして困るのはもちろん、日々資金繰りの不安を抱えているようでは本末転倒です。

融資が受けやすい

会社の預金残高が多いメリット、2つめは「融資が受けやすい」です。

さきほど、中小企業は大企業ほど信用力がなく、いつでも資金調達はできないという話をしました。とはいえ、銀行から融資を受けやすいタイミングはあり、そのタイミングであれば融資による資金調達(結果として預金残高を多くする)は有効です。

では、銀行から融資を受けやすいタイミングとは?預金残高が多いときです。銀行にとっては、融資先の預金が貸したおカネの返済財源になるため、預金が多いほど安心できます。つまり、預金が多い会社にほど融資を検討しやすいのです。

が、「それはヘンだ」とおもわれるかもしれません。預金残高が多いときに融資を受けやすいのはよいにしても、すでに預金残高が多いのであれば融資を受ける必要はない。そうおもわれるかもしれません。ですが、それでは前述した話が活かされません。

繰り返しになりますが、中小企業は大企業ほど信用力がなく、いつでも資金調達はできないのです。銀行融資が有効だといっても、融資を受けやすいタイミングは限られています。この点、借りたいときには借りられないものなので気をつけましょう。

借りたいときとは、赤字のときや資金繰りが厳しいときです。預金残高が少なくなっているときでもあり、銀行としては「貸したら返してもらえないのでは…」と不安になります。よって、借りたいときほど融資が受けにくくなることを理解しておきましょう。

預金残高が多いうちに、融資が受けやすいうちに融資を受けて、預金残高をさらに多くするのが中小企業の財務戦略だといえます。

業績を上げやすい

会社の預金残高が多いメリット、3つめは「業績を上げやすい」です。

さきほど、預金残高をあえて少なくしている社長は気をつけましょうと言いました。資金ショートを起こして困るのはもちろん、日々資金繰りの不安を抱えているようでは本末転倒だからです。

資金繰りの不安を抱えた社長はどうなるか?たびたび資金繰りのことを考えたり、資金繰りの算段をするための時間や手間をとられるようにもなります。すると、社長本来の仕事である「経営」に時間を使うことができません。

経営とは、会社の明日を考えて今日手を打つことであり、社長にしかできないことです。社長が経営に時間を使えないようでは、事業の持続・成長は危ぶまれるばかりでしょう。

これに対して、預金残高が多く、当面の資金繰りに不安がない会社の社長は経営に集中できます。事業の改善も進むので、業績は上がりやすく、ますます会社はよくなるものです。だからこそ、融資を受けやすいタイミングを逃さず、借りれるうちに借りておくことが大切になります。

社長本来の仕事は経営。資金繰りはやらなくてもよい仕事であり、やらなくてよいのが理想です。預金残高が多いほど、社長は資金繰りをやらなくてもよい環境に近づきます。これが大きなメリットであることを理解しましょう。

厳しいことを言うようですが、資金繰りに奮闘したことで、社長の仕事をした「つもり」になってはいけません。再三の繰り返しですが、社長の仕事は資金繰りよりも経営です。

まとめ

結論として、会社の預金残高は多いほうがよいです。なぜよいのかとして、会社の預金残高が多いメリットを理解しておきましょう。次のとおりです。

  • つぶれにくくなる
  • 融資が受けやすい
  • 業績を上げやすい

これらは会社の持続・成長に関わる問題でもあり、見逃しは厳禁です。預金残高が少ないと持続・成長は危ぶまれ、預金残高が多ければ持続・成長の可能性は高まります。中小企業はとくにです。

この記事を書いた人

1975年生まれ、横浜在住。税理士、発信者、習慣家。2016年に独立以来、きょうまでブログは毎日更新中。近年は、銀行融資支援を得意な仕事にしている。借りれるうちに借りれるだけ借りよ、が口グセ
現在は1日1万歩以上、ひと月150kmほど走る。趣味は、コーヒーとサウナ、読書、散歩、アニメ。スタバでMacがマジカッコいい!と思い続けてる
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